影労

第5回ポプラ社小説大賞に応募した作品の中のひとつで、『影労』は独自の世界観を展開しています。

物語のあらすじ
通常、武士というものは日々の稽古に勤しみ、趣味や遊びといったことをすることがありません。
それが厳しい社会で生きていくための知恵でもあったのですが、そんな生き方じゃつまらんぜよと言ったのが坂本龍馬でした。
その言動に感銘を受けて、当時まだ営業職というものが一般的でなかった日本で、カタログひとつで営業先にアピールをしていった、働いても働いても抜け出せない影を表す様な現代のサラリーマンの生き様を綴ってあります。

私の評価
こっそりと昔にタイムスリップして、まるで明治時代を覗き見たような生活感が漂っています。
そんな中を、まるでカタログを刀のように凛とした精悍な青年が巻き起こす問題に、明るく助言してくれる周りの人々には顔が綻んでしまいます。
はたして坂本龍馬にどこまで近づけるのか?という点には食い入るように読んでしまいました。